2017年10月。
小職はマレーシアはクアラルンプールに降り立った。
空港から電車を乗り継いでクアラルンプール随一の繁華街であるブギ・ビンタンに到着した頃はすでに辺りは夕闇に包まれつつあった。
暑い。
東南アジア特有のねっとりとした空気が異国にいることを否が応でも自覚させる。
うむ、いい感じだ。
テンションが上がるのを感じる。
やはり、東南アジアはしっくりくる。
何度も述べているが、小職はかってバックパッカーとして各国を旅したことがあったが、このマレーシアは初めて訪れることになる。
初見の国であり、20パーセントの不安と80パーセントの期待が混ざり合い、心臓の鼓動が早鐘を打つ。
さあ、マレーシアよ、この小職にその全てのさらけ出し、小職を心身ともに満たすがよい、ふはははははぁー。
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小職はブギ・ビンタンの駅から、キャリーバッグを引きつつ、投宿するホテルに向かった。
今回のホテルは、『アルファ・ジェネシス』である。
駅から徒歩10分くらいか、繁華街突っ切って到着。
3泊分で合計1万円強であったが、ほうほう、なかなかいいじゃないか。
今回はLCCのエアアジアで来たこともあり、機内で何も食さなかった為、さすがに腹が減っている。
荷物を紐解き、早速食事に出かけることにする。
向かった先は、屋台街として名高いアロー通りである。
このアルファ・ジェネシスホテルからは至近である。
実は小職は海外用のシムフリースマホを所持していない。
海外ではいつも、本の地図を見ながら目的地へ行っていたのだが、今回はスマホを使ってみることにした。
このスマホはもちろん、普段日本で使用しているスマホだ。
スマホのグーグルマップで事前にエリアを登録しておけば、オフラインで使用可能というのを知ったからである。(遅いダロ…汗)
スマホを起動し、機内モードであることを確認し、グーグルマップの登録地を開く。
おお、すげー、ばっちり地図見れる。
しかも、現在地もわかるって、いやー、便利便利。
小職は、スマホ片手に、上機嫌でアロー通りへ歩いていった。
この先、悲劇が待ち受けようとしていることにまったく気づかず……。
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5分ほどで、アロー通りに到着。
いやはや、通りの両脇に料理屋が並び、客でごった返している。
かなり盛況である。
なかなかの賑わいを見せるアロー通り
適当な店を選び、椅子に座る。
ここに入店
まずは、ビール。
このビール、味は若干薄め
ごくごく。
ぷはー。
うむ、最高のひと時じゃ。
やはり暑い東南アジアでは冷えたビールがうまい。
そして次はいよいよ飯である。
クアラルンプールで最初に食すものは既に決めていた。
それは、バクテー(肉骨茶)である。
バクテー(肉骨茶)とは漢方を使って豚肉を煮込んだスープで、マレーを代表する料理の一つだ。
暑いマレーシアだからこそ好まれるスタミナ料理らしい。
早速、注文してみた。
バクテー(肉骨茶)
むう、暑いのに湯気めっちゃでとる…。
こりゃ、そうとうな熱さだぜ。
早速、濁った茶色のスープをすすってみる。
おお、あちー、でも、うん、うまい。
やはり、漢方が効いており、少しクセがあるものの、おいしい。
豚肉も柔らかく、味が濃く、うまい。
そして小職の大好きな油揚げまで入っていてかなり良い。
うんうん、バクテー、かなり良し。
小職はついでに頼んだエビ入りのおかゆといっしょにバクテーを完食。
うむ、満足。
おかゆは味が薄く、イマイチ
さーて、食べて飲んだらあとはやることはひとつじゃー。
ふふふ。
と、いうことで支払いを済ませ、夜のパトロールに向かうことにした。
さて、クアラルンプールの代表的な江口行為を執り行う施設はSPAである。
各店舗によって、風呂があったりなかったりするが、まったりしつつ、女子とムフフと戯れることができるとかいう噂である。
ぬうう、けしからん。
仮にも一国の首都である都市に、かようないかがわしい所があるとわ!!
これはさっそく行ってみて、事の次第を詳細に調査し、場合によってはキツイお灸をすえなければ。
そして事前調査によると、ここブキ・ビンタンはツーリストエリアであるのだが、徒歩圏内に5,6件のSPAが点在するとのこと。
ぐぬぬぬ、まったくもってけしからん。
早く行って、けしからんカワイイ女子たちにお仕置きじゃー。
小職は逸る心を抑えつつ、足早に繁華街を歩いた。
どこに行こうかなー、などと考えつつ、ブキ・ビンタン駅そばまで来たとき、そのことに気付いた。
………、あれ?カバンのチャック開いとるがや……。
…………………、あれ?確かここに、小職のスマホ入れといたはずやけど………。
………………………………、あれ?………空っぽですやん……………。
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?
え、まじでか!
焦ってカバンの中を隈なく捜索するも、どこにも無い!
え、お、え、あ、ん?
まさか、落とした?
ざざざざざざざざざざざぁーーーーーーーーーー。(小職の血の気が引く音)
ほろ酔い気分もぶっ飛び、地面をガン見しながら急いで通って来た道を引き返す。
結局、人ごみの中、アロー通りまで戻り、食べた食堂の店員に小職のスマホ置き忘れてなかったか聞いてみるも、あえなく撃沈。
見てないそうです。(泣)
がっくりきた小職は、とぼとぼと、さみしくホテルの部屋まで戻ったのであった。
お仕置きを受けたのは、けしからんカワイイ女子たちではなく、まさかの小職自身という、驚愕の結果と相成った、クアラルンプール初日であった………合掌。
戻ったホテルの部屋から煌々と光るKLタワー見える……
続く
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